早期退職について考えるとき、私はどうしてもお金のことばかり計算してしまいます。
退職時の資産はいくらになるのか。
毎月いくら使えるのか。
住宅ローンを払い続けても大丈夫なのか。
年金をもらうまで資産は持つのか。
しかし最近、それ以外にも失うものがあることに気づきました。
その一つが、車です。
55歳で退職できるかについては、資産面からも何度も考えてきました。
「資産7,100万円あっても、退職を決めきれない」でも、退職を決めきれない理由を書いています。
18歳から、車のない生活をしたことがない
私は18歳のとき、初めて自分の車を購入しました。
それ以来、今まで一度も「車のない生活」をしたことがありません。
若い頃から、出かけるときには車がある。
買い物に行くときも、旅行に行くときも、家族と出かけるときも、いつも身近に車がありました。
考えてみれば、車がある生活は私にとって特別なものではなく、完全に日常の一部になっています。
だからこそ、早期退職して車を手放すということは、単に移動手段が一つなくなるという話ではないのかもしれません。
18歳から続いてきた生活そのものが、初めて変わることになります。
45歳の頃から、会社の車を自由に使えるようになった
私と会社の車との関係は、51歳から始まったわけではありません。
45歳の頃から、仕事では会社の車をかなり自由に使える立場になりました。
ただし、その車は私専用ではありません。
あくまで会社の車なので、自分だけがいつでも使える車ではありませんでした。
そのため、この頃はまだ自家用車を所有していました。
仕事では会社の車を使い、プライベートでは自分の車を使う。
そんな生活がしばらく続きました。
その後、自分専用の車を貸与されるようになった
その後、会社から自分専用の車を貸与されるようになりました。
最初に貸与されたのは比較的小さなコンパクトカーでした。
その後も、仕事の状況に応じて貸与される車は変わっていきました。
自分専用の会社の車ができたことで、私は自家用車を所有する必要性を感じなくなりました。
そこで、それまで乗っていた自分の車を息子に譲りました。
ただ、会社から自分専用の車を貸与されているので、生活としては何も変わりません。
18歳から今まで、所有する形は変わっても、私のそばには常に車があり続けました。
65歳まで会社の車に乗るつもりだった
当時、会社を早く辞めることなど、まったく考えていませんでした。
当時は、定年後も働き続けることを考えていました。
仕事を頑張って、65歳まで会社で働かせてもらう。
その間は会社から貸与された車に乗る。
そして65歳になったら、会社を辞めるのと同時に車にも乗らない生活に移行する。
そんな計画を立てていました。
今、車にかかっている自己負担はかなり少ない
自家用車を手放した大きな理由の一つは、維持費です。
自分で車を所有すれば、車両代だけではありません。
保険料、税金、車検、整備費など、さまざまなお金がかかります。
一方、現在の私は会社から車を貸与してもらっています。
そのため、私自身が負担している車関係の費用は、基本的に自宅の駐車場代と、プライベートで利用したときの高速料金くらいです。
車両を購入する必要もありません。
保険料や税金、車検代などを自分で負担する必要もありません。
それでも、自分専用の車があり、必要なときには自由に乗ることができます。
改めて考えてみると、これはかなり恵まれた環境です。
自分で同じ環境を作ろうとすれば、かなりのお金が必要になります。
自家用車を息子に譲った判断自体は、今でも間違っていなかったと思っています。
車には、家族との思い出がたくさんある
ただ、私にとって車は、単なる移動手段ではありません。
これまで車で、本当にいろいろな場所へ行きました。
北は稚内。
南は長崎。
四国にも行きました。
北陸にも出かけました。
家族と一緒に長い距離を走り、いろいろな景色を見てきました。
振り返ると、それは私の人生の中でも、とても楽しい時間でした。
車があったからこそできた経験も、かなり多かったと思います。
私は車そのものが好きというより、
車があることで広がる行動範囲や、そこから生まれる家族との時間が好きだったのかもしれません。
早期退職すれば、会社の車はなくなる
ところが今の私は早期退職を考えています。
会社を辞めれば、当然、貸与されている車は返却することになります。
45歳頃から会社の車を自由に使える環境が続き、51歳からは自分専用の車まで貸与していただきました。
考えてみると、もう長い間、私は会社の車があることを前提に生活しています。
それが、退職した瞬間になくなります。
そして今度は、自分で車を用意しなければなりません。
しかし退職後は、少なくとも今のような給与収入はなくなります。
住宅ローンもありますし、生活費もあります。
資産を取り崩しながら生活していくことを考えると、退職直後に何百万円も使って車を購入することには、かなり慎重になると思います。
しかも、購入費だけでは終わりません。
今は負担していない保険料や税金、車検、整備費なども、すべて自分で支払うことになります。
そう考えると、現実的には車を所有しない生活になる可能性が高いです。
もしそうなれば、私にとっては、
18歳以来、初めての車のない生活
になります。
これは、自分が想像していた以上に大きな変化なのかもしれません。
早期退職をするということは、私にとって、
会社を辞めるだけではなく、長年当たり前だった「車のある生活」まで手放すことになるかもしれない
ということです。
自由になるはずなのに、行動範囲は狭くなるかもしれない
ここに、少し矛盾を感じています。
私は自由な時間が欲しくて、会社を辞めたいと思っています。
会社を辞めれば、平日も自由になります。
好きなときに出かけることもできます。
しかし、その一方で車がなくなれば、行ける場所は今より少なくなるかもしれません。
時間は増える。
でも、移動の自由度は下がる。
これは、自分が思い描いている「自由」と本当に同じなのだろうか。
最近は、そんなことまで考えるようになりました。
車を所有しない方が、むしろ自由かもしれない
もちろん、逆の考え方もあります。
退職後は毎日会社へ通勤する必要がありません。
今ほど車を使わなくなる可能性もあります。
必要なときだけレンタカーやカーシェアを使えばいい。
電車で旅行して、現地だけレンタカーを借りることもできます。
そう考えれば、
「車を持てなくなる」
ではなく、
「車を所有する必要がなくなる」
と考えることもできます。
車を所有するために固定費を払い続けるよりも、必要なときだけお金を払う。
その方が、退職後の生活には合っている可能性もあります。
今までとは違う旅行の仕方や、生活の楽しみ方が見つかるかもしれません。
会社員を続ければ、車も収入も残る
会社員を続ければ、今の収入があります。
そして、ほとんど自己負担なく使える会社の車もあります。
経済的なことだけを考えれば、会社員を続ける方が明らかに有利です。
収入や待遇には恵まれているのに、それでも会社を辞めたいと思う理由については、「収入に不満はない。それでも会社を辞めたい理由」でも書いています。
だからこそ、私は迷います。
会社を辞めれば時間は手に入ります。
しかし、その代わりに失うものも多い。
車は、その分かりやすい一例なのだと思います。
早期退職は、お金だけでは決められない
私はこれまで、早期退職できるかどうかを資産額で判断しようとしてきました。
いくらあれば退職できるのか。
毎月いくらなら生活できるのか。
住宅ローンを払い続けられるのか。
もちろん、それはとても重要です。
しかし最近は、それだけでは決められないと感じています。
会社を辞めれば、失うものがあります。
収入。
肩書き。
会社から与えられている環境。
そして私の場合は、車もその一つです。
18歳から当たり前のように続いてきた車のある生活を手放しても、それでも会社を辞めたいと思えるのか。
逆に、それらを失いたくないという理由だけで、これからも会社員を続けるのか。
今の私は、その間でまだ揺れています。
早期退職を決めるということは、単に「働くか、働かないか」を決めることではないのかもしれません。
これからの人生で、自分は何を残して、何を手放すのか。
そこまで含めて考える必要があるのだと思っています。


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