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登山知識ゼロの53歳が、塔ノ岳に挑戦した話

登山知識ゼロの53歳男性が、登山装備を身に着けて塔ノ岳山頂を目指す様子を描いた漫画風アイキャッチ画像 登山・ゴルフ

53歳になってから、私は登山を始めました。

きっかけは、会社の同期が富士山に挑戦し、登頂したという話を聞いたことです。

同期がこれまで経験したことのないことに挑戦し、富士山の山頂まで登った。その話を聞いて、私も今まで経験したことのない何かに挑戦してみたいと思うようになりました。

もう一つの理由は、健康維持です。

年齢を重ねても元気に過ごすためには、意識して体を動かした方がいい。そう考えて、登山を始めることにしました。

登山の知識はまったくなかった

登山を始めた時点では、山についての知識はほとんどありませんでした。

登山用の靴や服装、持ち物、歩き方についても、よく分かっていません。

塔ノ岳に登るルートが、通称「バカ尾根」と呼ばれていることも知りませんでした。

私は運動経験がなかったわけではありません。

ただ、普段の生活では、できるだけ無駄な体力を使わないようにしていました。

エスカレーターがあれば階段は使わず、少しでも楽に移動できる方法を選ぶ。

体力は使わずに済むなら、その方が効率的だと思っていたのかもしれません。

そんな私が、わざわざ自分の足で山を登るようになったのですから、自分でも大きな変化だと思います。

最初の登山は大山

最初に挑戦した山は、神奈川県の大山でした。

登山の知識がないまま登ってみると、想像していた以上にきつく感じました。

しかし、自分の足で山頂まで登ったときの達成感は、普段の生活ではなかなか味わえないものでした。

「次は、もう少し高い山に挑戦してみたい」

そう思い、次の目標に選んだのが、丹沢の塔ノ岳です。

今思えば、登山初心者が挑戦するには、かなり歩き応えのある山でした。

しかし当時は、その大変さも十分に理解していませんでした。

知識ゼロで塔ノ岳へ

塔ノ岳には、大倉から登るルートで挑戦しました。

後になって、この長い登りが続くルートを「バカ尾根」と呼ぶことを知りました。

登る前から知っていたら、少し尻込みしていたかもしれません。

登りにかかった時間は、約4時間30分。

登り始めた直後は、まだ余裕がありました。

しかし、階段や坂道が長く続くにつれて、次第に呼吸が苦しくなり、足も動かなくなっていきました。

登山を始めて分かった私の一番の課題は、脚の疲れよりも心拍数です。

急な登りが続いたり、少しペースを上げたりすると、心拍数が一気に上がります。

塔ノ岳では、最大心拍数が176まで上がりました。

私の場合、心拍数が大きく上がると、単に苦しいだけでなく、体が思うように動かなくなりました。

足を前に出そうとしても、体がついてこない。

そのため、途中で何度も立ち止まり、心拍数が下がるのを待ってから、また歩き始めました。

周りではなく、自分のペースで登る

登山道では、若い人や登山に慣れている人たちに、次々と追い越されました。

自分ももう少し速く登った方がいいのではないかと思うこともありました。

しかし、無理にペースを上げると心拍数が上がり、結局は体が動かなくなります。

速く登って長時間止まるよりも、最初からゆっくり歩き続けた方がいい。

塔ノ岳に登りながら、そのことを実感しました。

登山では、周りの速さに合わせる必要はありません。

自分の体調を確認しながら、自分のペースで登ることが大切です。

山頂で感じた大きな達成感

長い登りを終え、ようやく塔ノ岳の山頂に到着しました。

山頂に立ったときに最も強く感じたのは、大きな達成感でした。

「自分でも、ここまで登ることができた」

心拍数が上がり、何度も体が動かなくなりながらも、途中で諦めず、自分の足で山頂までたどり着きました。

登山の知識がまったくなかった私が、53歳から登山を始め、塔ノ岳まで登ることができた。

そのことが素直にうれしかったです。

同期の富士登山の話を聞き、自分も経験したことのないことに挑戦したいと思った。

その気持ちが、塔ノ岳の山頂につながりました。

下りは比較的問題なかった

登山では、下山の方が苦手という人も多いようです。

膝や脚に負担がかかり、下りで一気に疲れることもあります。

ただ、私の場合、下りは比較的問題ありませんでした。

このときはトレッキングポールも使っていました。

特に下りでは、ポールを先について体を支えることで、脚や膝への負担を減らせたと感じています。

一方、岩場では邪魔になる場面もあり、場所によって使わない方が歩きやすいこともありました。

実際に使っているトレッキングポールについては、「DABADAトレッキングポールを初心者がレビュー|3,698円でも十分だった」の記事で詳しく書いています。

もちろん転ばないように注意は必要ですが、登りのように心拍数が大きく上がり、体が動かなくなることはありません。

私にとっての課題は、下りよりも登りです。

今後、さらに高い山や長いルートに挑戦するには、心拍数を上げすぎずに登る方法を身につける必要があります。

無理に速く登らず、早い段階からペースを抑える。

日頃から運動を続け、少しずつ心肺機能を高める。

これからも登山を続けるために、改善していきたい部分です。

53歳からでも新しい挑戦はできる

50代になると、初めてのことに挑戦する機会は、少しずつ減っていきます。

仕事や生活もある程度決まったものになり、新しいことよりも慣れたことを選びやすくなります。

私自身も、それまでは無駄な体力を使わず、できるだけ楽に生活することを考えていました。

しかし、登山を始めてからは、あえて体力を使い、苦しい思いをしながら山頂を目指すようになりました。

登っている途中は、「なぜこんなに苦しいことをしているのだろう」と思うこともあります。

それでも、山頂に着いたときの達成感を味わうと、また別の山にも挑戦したくなります。

登山は健康維持のために始めました。

しかし今では、健康のためだけではなく、今まで見たことのない景色や、経験したことのない達成感を得るための挑戦にもなっています。

次は八ヶ岳の硫黄岳へ

次に挑戦したいと思っているのは、八ヶ岳の硫黄岳です。

森林限界を越えた景色を、自分の目で見てみたいと思っています。

塔ノ岳よりも標高が高いため、天候や装備についても、さらに知識を身につけなければなりません。

登山を始めた頃は、知識がまったくありませんでした。

しかし、実際に山へ登るたびに、自分に足りないものや、新しく準備すべきことが少しずつ分かるようになりました。

同期の富士登山の話を聞いたことから始まった、53歳からの登山。

無駄な体力を使わないように生活していた私が、今では自分から山を目指しています。

年齢を理由に諦めるのではなく、無理をせず、自分のペースで挑戦する。

塔ノ岳への挑戦は、そんなことを実感させてくれた経験になりました。

登山靴のサイズ感や実際に長時間歩いたときの履き心地については、「MAMMUT Sertig II Mid GTX Menを実際に使ったレビュー」で詳しく書いています。

塔ノ岳の次に挑戦した硫黄岳については、「初めての硫黄岳。絶景、強風、土砂降り…それでも『また登りたい』と思えた山」で詳しく紹介しています。

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