会社を休むようになってから、心配して声をかけてくれた4人と話しました。
会社を休むことになった経緯については、「適応障害と診断され、1か月仕事を休むことになりました」に書いています。
会社の人が3人。
以前お世話になった元上司が1人です。
「辞めるのはもったいない」
「自分の人生なんだから、辞めてもいいんじゃないか」
「生活が成り立つなら、辞めてもいい」
「経験を活かせる会社を紹介できる」
4人の意見は、それぞれ違いました。
でも不思議なことに、違う意見を聞けば聞くほど、私自身の気持ちは一つの方向へ傾いていきました。
今の感覚でいえば、
辞める9、残る1。
少し前まであれほど迷っていたのに、今はかなり退職する方向に気持ちが動いています。
なぜ4人の意見を聞いたことで、逆に自分の答えが見えてきたのか。
今回は、そのとき考えたことを書いてみます。
「辞めるのはもったいない」と言われた
会社に残った方がいいと言った人は、私がこれまで会社でやってきた仕事をよく知っている人でした。
長い間、私の仕事を見てきた人です。
その人から言われたのが、
「辞めるのは、もったいない」
という言葉でした。
そして、
「あなたは会社を変えられる人だと思う」
とも言われました。
この言葉は、かなり心に残っています。
長く会社員をやってきました。
もちろん、うまくいった仕事ばかりではありません。
失敗もしましたし、自分では大したことをしていないと思うこともあります。
それでも、これまでやってきたことを知っている人から、
「まだできることがある」
と言ってもらえた。
素直にうれしかったです。
私の中に残っている「1割」は、もしかするとこういう部分なのかもしれません。
「本当にやりたいことがあるなら、それをやればいい」
一方で、別の人からは違うことを言われました。
「本当にやりたいことがあるなら、それをしっかりやるのもいいんじゃないか」
という話です。
そして、
「自分の人生なんだから、後悔しないようにした方がいい」
とも言われました。
この言葉を聞いたとき、私は少し考えてしまいました。
自分は、本当は何がやりたいのだろう。
退職したら絶対にこれをやりたい、というものがあるわけではありません。
新しい仕事を始めたいわけでもない。
何か大きな目標があるわけでもない。
それでも、会社を辞めたいという気持ちはあります。
考えていくうちに、少し分かってきました。
私が欲しいのは、「やりたいこと」そのものではなく、
自分の時間を自分で決められる自由なのかもしれません。
会社に残れば、ある程度先の生活は想像できます。
毎月給与が入り、今までと同じように仕事を続ける。
収入面では安心です。
でも、その安心と引き換えに使うのは、自分の時間です。
今日は何をするのか。
どこへ行くのか。
誰と会うのか。
何もしないのか。
そうしたことを、自分で決められる時間が欲しい。
あと何年働けるのか。
あと何年、自由に動けるのか。
そう考えるようになってから、
「安定しているから残る」
だけで決めていいのだろうか、と思うようになりました。
「生活が成り立つなら、辞めてもいいんじゃないか」
別の人からは、かなり現実的な意見もありました。
「辞めたあとも生活が成り立つなら、辞めてもいいんじゃない?」
というものです。
これは、かなりシンプルな考え方です。
会社を辞めたいと思っても、生活できなければ難しい。
逆に言えば、
生活費や資産、これから必要になるお金を考えたうえで問題がないのであれば、無理に会社に残る必要はない。
私はこれまで、退職後のお金について何度も計算してきました。
現在の資産で55歳退職が可能なのかについては、「資産7,100万円あっても、退職を決めきれない」でも整理しています。
生活費はいくら必要なのか、60歳までにいくら使うのか、年金を受け取り始めたあとにどのくらい不足するのか。何度も計算してきました。
それでも、
「絶対に大丈夫」
という感覚にはなりません。
でも、少なくとも以前よりは、
お金の問題だけで会社に残る必要はないのかもしれない
と思えるようになってきました。
元上司は「経験を活かせる仕事」を紹介してくれようとした
以前お世話になった元上司とも話しました。
その人は今でもいろいろな人とのつながりがあり、
「今までの経験を活かせる会社はいくつもあるよ」
と言ってくれました。
ありがたい話です。
これまで私がやってきた仕事を評価してくれて、
「この会社なら合うんじゃないか」
と考えてくれる。
会社を辞めても、次の仕事が見つかる可能性がある。
普通に考えれば、とても心強い話です。
でも、そこで私は少し考えてしまいました。
会社を変えれば、仕事内容は変わる。
人間関係も変わる。
もしかすると、今より楽しく働けるかもしれない。
ただ、
会社員という働き方であることは変わらない。
決められた時間に働く。
会社の予定に合わせて生活する。
自分の時間のかなりの部分を、仕事に合わせる。
そこは同じです。
辞めたいのは「今の会社」ではなく「会社員という働き方」なのかもしれない
元上司から転職先の話を聞いて、私は一つ気づきました。
もし私が「今の会社が嫌だから辞めたい」だけなのであれば、転職はかなり有力な選択肢です。
仕事内容も人間関係も変わりますし、今より楽しく働ける可能性もあります。
それでも私は、
「ぜひその会社で働きたい」
とは思いませんでした。
最初に浮かんだのは、
「また会社の予定に合わせて生活することになるのか」
という気持ちでした。
そこで初めて、
私は今の会社を辞めたいというより、会社員という働き方から一度離れたいのかもしれない。
と思いました。
これは、自分の中ではかなり大きな気づきでした。
4人の意見を聞いたのに、答えを決めたのは自分だった
今回4人と話してみて、本当に人によって考え方が違うと感じました。
これまで積み上げてきたものを考えれば、会社に残った方がいい。
人生の時間を考えれば、自分の時間を大切にした方がいい。
生活が成り立つのであれば、辞めてもいい。
経験を活かして、別の会社で働く道もある。
どれも間違っていません。
もし「正解」が一つあるのなら、こんなに悩まないのだと思います。
結局、誰かの意見を聞いて答えが出たわけではありませんでした。
むしろ、いろいろな意見を聞いたことで、
「その話を聞いた自分がどう感じるか」
が見えるようになりました。
会社に残った方がいいと言われても、以前ほど「残ろう」とは思わなかった。
転職先を紹介できると言われても、「それなら転職しよう」とは思わなかった。
反対に、
「自分の人生だから」
と言われたときには、かなり納得する自分がいました。
それが、今の自分の答えなのかもしれません。
今は「辞めるか」より「どう辞めるか」を考えている
少し前まで考えていたのは、
「会社を辞めるか、残るか」
でした。
その頃は、会社に戻る理由と辞める理由を実際に書き出しながら、「このまま退職して後悔しないか」と考えていました。
でも今は、いつ伝えるのか、誰に最初に伝えるのか、会社を辞めたあとの時間をどう使うのか。
そうしたことを考えるようになっています。
「辞めるかどうか」から「どう辞めるか」へ、悩みが移ってきました。
今のところ、気持ちは『辞める9、残る1』です。
それでも、残っている1割を無理に消そうとは思っていません。
「もったいない」
「まだできることがある」
「会社を変えられる人だ」
そう言ってもらえたことも、これまで仕事をしてきた一つの答えだと思うからです。
4人の意見は、それぞれ違いました。
でも、その違う意見を聞いたからこそ、自分が何を望んでいるのかが少し見えてきました。
今は、
「会社を辞めてもいいか」ではなく、「これからどう生きたいか」を考える段階に入ってきた。
そんな気がしています。


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