マンション価格が上がっている。
そんなニュースをよく見るようになった頃、私は20年以上住んだマンションをどうするか考えていました。
最初から売却を考えていたわけではありません。
むしろ当初は、
「リフォームするか、思い切ってリノベーションするか」
でかなり悩んでいました。
実は、水回りについては一度リフォームしています。
トイレ、お風呂、洗面所。
和室の畳も張り替えました。
それでも20年以上住んでいると、いろいろ気になるところが出てきます。
そして私は、次第にリフォームよりもリノベーションに興味を持つようになりました。
本当はリノベーションをやりたかった
リノベーションをするなら、どんな家にしよう。
そんなことを考えるのは、結構楽しいものでした。
キッチンはどうするか。
この部屋とこの部屋をつなげたらどうなるか。
使わなくなった部屋を大きなクローゼットにしたら便利そう。
玄関も、もっと広くしたい。
間取り図を見ながら、
「ここをこうしたらいいんじゃないか」
と、かなり想像を膨らませていました。
今振り返ると、私は本当はリノベーションをやってみたかったのだと思います。
ただ、考えているうちに別の疑問も出てきました。
そこまでお金をかけて、この場所にこれからも住み続けるのか?
ということです。
老後までここに住むのかを考え始めた
前のマンションには、立地面で少し不満がありました。
決して利便性が良い場所ではありません。
さらに高層階だったため、ちょっと外に出るだけでもエレベーターを待って1階まで下りなければなりません。
若い頃は、それほど気になりませんでした。
でも年齢を重ねてくると、
「70代、80代になっても、この生活を続けるのかな」
と考えるようになりました。
これから先は、
- 駅に近い
- 買い物がしやすい
- 病院へ行きやすい
- 車がなくても生活できる
そんな場所の方が暮らしやすいのではないか。
リノベーションをすれば家の中は快適になります。
でも、立地まで変えることはできません。
そこで初めて、住み替えという選択肢を真剣に考えるようになりました。
きっかけはマンション価格高騰のニュース
ちょうどその頃、
「中古マンション価格が上がっている」
というニュースをよく目にしていました。
「だったら、今のマンションはいくらくらいになるんだろう?」
気になって、一括査定サイトで机上査定をお願いしてみました。
すると、想像していたより高い金額が出ました。
中には、購入したときの価格を上回る査定もありました。
もちろん、机上査定です。
その金額で実際に売れるとは限りません。
それでも、
「これならリノベーションではなく、住み替えるという選択もありかもしれない」
と思うには十分でした。
中古か、新築か、それとも賃貸か
ここからも、かなり悩みました。
今のマンションを売るとして、その後どうするのか。
選択肢はいくつもあります。
中古マンションを買う。
新築マンションを買う。
あるいは、持ち家をやめて賃貸に住む。
どれにもメリットがあります。
特にこの頃は、
「これからの人生、本当に家を所有する必要があるのか」
ということまで考えました。
結局、いろいろ探した結果、希望に合う新築マンションが見つかりました。
住宅ローンもすんなり全額通りました。
そこで私は、旧居を売る前に新しいマンションを購入しました。
先に新居へ移ったので、引っ越しはかなり楽だった
一時的には、マンションを2戸所有する状態になりました。
これは資金面では負担があります。
ただ、引っ越しについては非常に楽でした。
大きな家具や家電は、引っ越し業者に運んでもらいました。
それ以外の物は、一度に全部運びませんでした。
新居で生活しながら、ときどき旧居へ行く。
そして、
「これは本当に新居に必要か?」
と考えながら、必要な物だけ少しずつ持ってきました。
一気に荷造りして、一気に引っ越す必要がありません。
時間をかけて、
「必要な物だけを選んで新居に持っていく」
ことができました。
気持ち的にはかなり楽でした。
結果的に、旧居には大量の物が残りましたが(笑)。
旧居を賃貸にするか、売るか
新居へ移ったあとも、旧居をどうするかは迷いました。
一度は、
「賃貸に出して家賃収入を得るのもいいのではないか」
と考えました。
資産としてマンションを残し、家賃をもらう。
悪くないように思えます。
ただ、空室や修繕、設備トラブル、入居者対応などを考えると、私には少し複雑に感じました。
そして、もう一つの選択肢がありました。
マンションを売って、そのお金を投資に回す。
私は不動産を管理するより、そちらの方が自分には合っていると思いました。
オルカンの下落も、売却を決めるきっかけになった
ちょうどその頃、私が投資していたオルカンがかなり下がっていました。
そこで考えました。
「今マンションを売って、その資金をオルカンに投入できれば、将来的な値上がりを期待できるのではないか」
もちろん、そこが底値かどうかは分かりません。
さらに下がる可能性だってあります。
それでも私にとっては、
賃貸に出すより、売却して投資へ回す方がシンプル
でした。
オルカンの値下がりが売却を決めた理由ではありません。
ただ、「今売ろう」とタイミングを決める一つのきっかけにはなりました。
仲介ではなく、業者買取を選んだ
次に悩んだのが、どう売るかです。
一般的には、不動産会社に仲介してもらって買主を探す方法があります。

その方が高く売れる可能性があります。
ただ、仲介の場合は購入希望者の内覧があります。
旧居には物がかなり残っていました。
人に見せられるように片付けるだけでも大変です。
さらに、仕事をしながら内覧の日程を調整して、何度も対応する。
当時の私には、そんな時間はありませんでした。
そこで選んだのが、
不動産業者による買取
です。
業者買取は、仲介で売るよりも買取価格が低くなる傾向がある、と当時聞いていました。
それでも私は、
高く売ることより、時間と手間を減らすこと
を優先しました。
気に入った業者と、かなり価格交渉した
買取についても、一括査定をお願いしました。
何社かとやり取りをして、その中から対応の良かった会社を絞りました。
実は最終的にお願いした業者については、途中から心の中ではほぼ決めていました。
対応が良かったからです。
ただし、
だからといって最初に提示された金額で売ったわけではありません。
ここはかなり交渉しました。
少しずつ金額を上げてもらい、
「もう少しいけませんか?」
と何度も交渉。
最終的には、
最初に提示された金額より約400万円高い価格
で買い取ってもらうことができました。
400万円は大きいです。
同じ業者に売るとしても、最初の査定額ですぐに決めなくて良かったと思っています。
残った物は別料金で撤去してもらった
新居には必要な物だけを持っていったので、旧居にはかなりの荷物が残っていました。
それを自分で全部処分するのは大変です。
そこで、残置物についても撤去をお願いしました。
ただし、
撤去費用は売却価格に含まれていたわけではなく、別途支払いました。
費用はかかりましたが、自分ですべて処分する時間と労力を考えれば、お願いして良かったと思っています。
20年以上住んで、購入価格との差は約200万円
最終的な買取価格は、
購入時の価格より約200万円安い金額
でした。
マンションを買った当時は、20年以上住んだあとにこれだけの価格で売れるとは考えてもいませんでした。
もちろん仲介なら、もっと高く売れた可能性はあります。
それでも私は十分満足しています。
20年以上住んだマンションです。
しかも、自分では利便性に不満を感じていた場所です。
そこに20年以上住んで、
購入価格との差が約200万円。
悪くない結果だったと思います。
もちろん、管理費や修繕積立金、固定資産税、リフォーム費用なども払っています。
単純に「200万円で20年以上住めた」という話ではありません。
それでも、長く住んだ住宅にこれだけ価値が残っていたのはありがたいことでした。
売ったマンションがどうなったのか、ずっと見ていた
実は売却したあとも、
「あのマンション、このあとどうなるんだろう」
と気になっていました。
しばらくチェックしていると、きれいにリフォームされて売りに出されました。
さすが不動産会社です。
私が住んでいた部屋とは思えないほど、きれいになっていました。
そして販売価格を見ると、
「こんなに高く売るの?」
と思うような金額でした。
ちょっと複雑な気持ちにもなります(笑)。
ただ、その価格ではなかなか売れなかったようです。
しばらくすると値下げされました。
最終的には、値下げ後の価格でどなたかの手に渡ったのだと思います。
それを見て、
業者は買い取ったあと、リフォーム費用をかけ、売れるまで在庫として抱えるリスクもあるんだな
と改めて思いました。
買取価格が仲介より安くなる傾向があるのも、こうしたコストやリスクを考えると納得できました。
売却資金は、新居の頭金には入れなかった
そして、売却して手元に入ったお金は、新しいマンションの住宅ローン返済には使いませんでした。
投資へ回しました。
新居は全額ローン。
旧居の売却資金は投資。
住宅を売ったお金で、次の住宅を買う。
普通ならそう考えるところを、私は投資に回しました。
今振り返ると、なかなか思い切った選択だったと思います。
当時は住宅ローン金利がかなり低かったので、
「低い金利で借りられるなら、手元のお金は運用した方がいい」
と考えていました。
もちろん、この判断が正しかったかどうかは、もっと先にならないと分かりません。
投資は下がることもあります。
住宅ローン金利が上がる可能性もあります。
それでも、
不動産をもう一戸持って賃貸経営をするより、オルカンを持つ方が私には分かりやすかった。
それが私の選択でした。
振り返ると、リノベーションもしてみたかった
今でも、
「もしあのマンションをリノベーションしていたら、どんな家になっていただろう」
と思うことがあります。
キッチンを変えて、部屋をつなげて、大きなクローゼットを作って、玄関を広くする。
それはそれで、きっと楽しかったと思います。
でも、リノベーションでは立地は変えられません。
私は最終的に、
家の中を変えることより、暮らす場所そのものを変えること
を選びました。
そして、旧居は賃貸にせず売却。
売却方法は仲介ではなく業者買取。
その資金は住宅ローン返済ではなく投資へ。
一つ一つを見ると、ほかの選択肢もありました。
どれが正解だったのかは分かりません。
ただ、今振り返ると、
「マンション価格が上がっているらしい。今の家はいくらなんだろう?」
と軽い気持ちで査定したことが、すべての始まりでした。
リフォームを考えていただけなのに、気がつけば住む場所も、資産の持ち方も変わっていました。
人生後半の住まいを考えるうえで、あの査定はかなり大きな分岐点だったと思っています。


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