以前住んでいたマンションは、住宅ローンを完済していました。
そのまま住み続ければ、毎月のローン返済はありません。
早期退職を考えている私にとって、ローンのない家は大きな安心材料でした。
それでも私は、そのマンションを売却し、新築マンションへ住み替えました。
そして現在は、80歳まで続く住宅ローンを抱えています。
なぜ、完済した家を手放してまで、再び住宅ローンを組んだのか。
理由は一つではありませんでした。
退職後の生活を考えると、住まいは大きなテーマになります。
住宅ローンがない安心を優先するのか。
それとも、年齢を重ねても暮らしやすい立地や広さを優先するのか。
住居費だけを見れば安い方が安心ですが、実際には「どこで、どんな暮らしをしたいのか」も無視できません。
この記事では、私がローンのない家を手放した理由を振り返りながら、退職後の住まいについて考えてみます。
室内の傷や汚れが気になっていた
以前のマンションでは、一度、水回りのリフォームをしています。
費用は数百万円かかりました。
キッチンや浴室などは新しくなりましたが、年月が経つにつれて、床や壁紙、天井の傷や汚れが気になるようになりました。
建物全体が傷んでいると感じていたわけではありません。
ただ、室内を見渡すと、再び手を入れたい場所が増えていました。
このまま住み続けるなら、水回り以外のリフォームにも、まとまった費用が必要になります。
それなら、今の暮らしに合わなくなった家を直し続けるより、住み替えた方がよいのではないかと考えるようになりました。
4人で住んでいた家が広すぎた
以前のマンションは、家族4人で暮らすために購入した家です。
しかし、妻は他界し、息子も結婚して家を出ました。
現在は、娘と私の2人暮らしです。
4人で暮らしていた頃には必要だった広さも、2人になると持て余すようになりました。
使わない部屋も増え、掃除や管理にも手間がかかります。
家族構成が変わったことで、以前のマンションは今の生活には広すぎると感じるようになりました。
駅まで徒歩20分、スーパーも駅前だった
住み替えを決めた大きな理由は、立地です。
以前のマンションは、最寄り駅まで徒歩約20分かかりました。
さらに、スーパーも駅前にしかありませんでした。
今は歩けますし、車も運転できます。
しかし、年齢を重ねて車を運転しなくなったとき、駅やスーパーまで徒歩20分の生活を続けるのは簡単ではありません。
室内はリフォームできますが、駅までの距離は変えられません。
退職後の生活を考えると、家の広さよりも、車がなくても暮らせる立地の方が重要だと思うようになりました。
立地は後から変えられない
駅に近い物件は、その分価格も高くなりました。
それでも私は、退職後の暮らしやすさを考えると、その差額を払う価値があると判断しました。
駅、スーパー、病院などが近ければ、年齢を重ねても自分で生活しやすくなります。
私自身、将来売却する可能性も考え、駅から遠い物件よりも、駅に近い物件の方が売却時の選択肢を持ちやすいのではないかと考えました。
もちろん、駅に近いからといって、必ず資産価値が維持されるわけではありません。
それでも私は、広い家を持ち続けることより、将来も生活しやすく、売却もしやすい立地を重視しました。
今のマンションを選ぶときに重視した条件については、「53歳で駅近・新築マンションを選んだ10の基準」で詳しく書いています。
80歳までローンが続く不安
住み替えによって、住宅ローンの返済は再び始まりました。
しかも、完済予定は80歳です。
早期退職を考えている私にとって、このローンは決して軽い負担ではありません。
以前のマンションに住み続ければ、もっと早く会社を辞められたかもしれません。
金利が上がれば、返済額が増える可能性もあります。
退職後までローンを残すことに不安を感じる考え方があるのも当然です。
住宅費だけを見れば、完済した家に住み続ける方が安全だったと思います。
一方で、退職後の住まいを考えるときは、住宅費だけでは判断できないとも感じています。
車なしで暮らせるか、管理しやすい広さか、将来売却しやすいかといった点も重要です。
毎月の住居費を抑えることも大切ですが、将来の暮らしに無理がないかまで含めて考える必要があると思っています。
それでも住み替えを選んだ
ローンのない安心を優先するのか。
それとも、これからの暮らしやすさを優先するのか。
私は後者を選びました。
今回の住み替えで得たのは、単に新しいマンションではありません。
- 2人暮らしに合った広さ
- 駅やスーパーに近い生活
- 車に依存しなくてよい環境
- 室内の傷や汚れを気にせず暮らせる住まい
こうした環境は、これから年齢を重ねる私にとって、大きな価値があります。
正解だったかはまだ分からない
完済済みのマンションを売り、80歳まで続く住宅ローンを組む。
住宅費だけを見れば、合理的ではない選択に見えるかもしれません。
私自身も、ローン残高を見るたびに不安になることがあります。
それでも、以前の家に住み続けていたら、将来は駅までの距離や家の広さを負担に感じていた可能性があります。
住宅は、家族構成や年齢、暮らし方が変われば、必要な条件も変わります。
私は、ローンのない安心を手放してでも、これからの生活に合った場所を選びました。
ただ、早期退職を具体的に考えるようになった今では、この住宅ローンが大きな固定費になっていることも事実です。
この選択が正しかったかどうかは、80歳になったときに分かるのかもしれません。
これまで4回住宅を購入してきた中で感じたことは、「人生で家を4回買った私が、住まい選びで感じたこと」にまとめています。


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